今回お預かりしましたお題は。
ご先祖様から、代々受け継がれている、男の子用のお祝着。
お作りになられてから、80年以上は経っており、それより前は、はっきり判らないとの事。
そんなお祝着を、産まれてくる孫に着せたい!
そんなご相談でした。
どこに相談しても、修復不可能と言われたそう…
職人魂に、火がつきました。
どこにも出来ないこと。そのお祝着を絶対に甦らせよう!!
力強くお答えしたものの…さぁどうやって修復しようか。
先ずは、一度全てを解き、反物状態に戻し、破れ、破損している部分を、これ以上酷くならないように、地道に裏から補強、補修し、その後全体の洗い、及びしみ落とし、黄変直し等をおこない、下準備。
下準備後は、主役である柄の色を、もう一度彩色し直し復元。
仕立て直しも、細部に渡り気を使いながら。
神経と時間を要する作業となりましたが、完成した時は、自分で言うのもなんですが、よく甦ってくれたなぁと、改めて感動しました。
後日談、依頼主からお礼のお手紙とお孫ちゃんの着姿の写真を頂きました。
職人冥利に尽きる。その一言でした。